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【先生のおとりよせ】あらすじ・ネタバレ、読んだ感想をレビュー

 

今回ご紹介するのは漫画×小説で描かれる新感覚グルメ作品。中村明日美子(漫画)・榎田ユウリ(小説)共著

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「先生のおとりよせ」

思わず笑ってしまうテンポの良い漫画と小説、そして実在のグルメも楽しめる作品です

 

 

「先生のおとりよせ」あらすじ

美少女漫画家・中田みるくと官能小説家・榎村遥華。榎村は中田の大ファンで、絵柄通りの美女が現れると信じて胸を弾ませています。

しかし実際に現れた中田みるくはヒゲの生えた長身の男性。あまりのショックにぶち切れる榎村に、中田も反発するなど仲は険悪に。

見た目も性格も全く相いれませんが、榎村が手掛けた原作を中田が漫画にするという企画でコラボすることになってしまいます。

彼らを取り巻く編集者たちが困惑するほど小競り合いを繰り返す二人ですが、「女性」と「おとりよせグルメ」が大好きという強力な共通点が見つかります。

お互い喧嘩しながらも毎話ごとに厳選した「おとりよせ」グルメを持ち寄り、おいしく吟味。

食べ物を通して徐々にお互いを認め合い、何とも言えない「友情」を築いていきます。

二人の仲が深まるにつれ、取り返しのつかないかもしれないと思われたトラブルや、お互いの作品を通してのリスペクトなどの感情が生まれていくのも必見です。

 

出版社からコラボ話を持ちかけられた美少女マンガ家・中田みるくと官能小説家・榎村遥華。見た目も性格も全く違う作家のタッグに、編集者は先行き不安・暗雲が立ち込める!そんな2人がバッチグー☆な連携を発揮できるキッカケになったのは、共通の趣味「おとりよせ」!!実在する「おとりよせグルメ」がゾクゾク登場!       出典:Amazon

 

「先生のおとりよせ」感想ネタバレ

「同級生」シリーズなどをはじめ、細かい美麗なタッチが人気の漫画家「中村明日美子」と、2000年のデビュー以来さまざまなジャンルの小説でヒットを生み出す「榎田ユウリ」がコラボした本作。

登場するおとりよせグルメたちは、永楽屋の「琥珀 柚子」やCLUB HARIEの「バームクーヘン」、「盛岡温めん」など実在の人気商品ばかりで、スイーツから惣菜系まで種類も幅広く、見ているだけで自分も注文したくなりそうな欲求に襲われます。

漫画と小説のリレー形式という特殊な形により、食べ物の魅力が絵と文章であますことなく伝わるような感じがしました。

漫画ではおいしそうに食べるキャラクターの表情や食べ物のディテールを見ることができますし、小説ではより深い味の描写や感想がたっぷりとされているため、読者が多方向から楽しむことができます。

また普段小説を読まないという人にも読みやすい文章です。文字のサイズやフォントを意図的に変えて抑揚をつけていますし、榎田ユウリ独特のテンポがよい文章はきっと読む人を選ばないでしょう。

あとがきによると中村明日美子と榎田ユウリは、基本的なキャラクター設定以外は深い打ち合わせをしなかったとのことですが、充分に実力派の二人だからこそ、ポップなストーリーと登場人物のキャラクターの良さが引き立っているといえるでしょう。

本作では食べたいものが手元に届くまでのワクワク感、自分へのご褒美として奮発したり、一緒に食べたい誰か思いながらの注文など細かな部分まで、誰もが感じたことがある気持ちも繊細に描写されています。

コロナ下の今だからこそ、より興味深く、面白く感じられる作品かもしれません。

 

「先生のおとりよせ」見所

本作は4月にテレビ東京でドラマ化されることが決まっています。

榎村遥華を向井理、中田みるくを北村有起哉が演じることも発表されました。

イケメン俳優2人を主演に据え、グルメはもちろん、主人公たちと周囲の人間たちとの群像劇にも重きを置いた作品となりそうです。

本作の見所は全国津々浦々のお取り寄せグルメを目で楽しめるだけではありません。

「強いキャラクター」も大きな魅力のひとつです。

クールで涼しげな見た目の榎村は外見に似合わず「無類の巨乳好き」。フェミニンで物腰の柔らかい中田も女性に対して多くのフェチを持っています。

食べ物以外にも2人が女性のタイプで持論を戦わせたり、時には共感し肩を組み、時には反発して掴み合いの一歩手前にまで発展する様子は面白く、思わずクスクスと笑ってしまいます。

彼らの周囲の編集者たちも曲者揃いで、「仕事漫画」としても楽しい作品です。

 

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