現実ではない、「空想の世界」を色鮮やかに描くファンタジー小説
魔法や異能力、見たことのない動物や草花……。考えるだけで胸が踊る世界観は、大人から子供まで大好きな方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな「ファンタジー小説」を定番から最新のものまで、12冊をご紹介。
大人から子供まで楽しめるものを厳選しました。
ファンタジー小説おすすめ12選 日本&海外名作ランキング
ハリーポッター
（J・Kローリング／静山社）
世界で最も有名なファンタジー小説といっても過言ではない同作。
すでに完結していますが、日本では2022年7月に舞台化が決定しているなど、まだまだ人気が衰えることはありません。
主人公は額に稲妻の傷のある少年「ハリー・ポッター」。
孤児である彼は意地悪な叔母一家に居候し、毎日息をひそめて暮らしていた所に一通の手紙が届きます。それは「ホグワーツ魔術学校」への入学案内書でした。
大人から子供まで、胸躍るような魔法や多彩なキャラクターが活躍する世界に没頭すること間違いなしです。
魔法使いハウルと火の悪魔
（イアナ・ウィン・ジョーンズ／徳間書店）
スタジオジブリの映画として有名な「ハウルの動く城」の原作。こちらは映画化により、日本での人気を決定的にしたファンタジー小説の代表格です。
帽子店で働くソフィーは内気な少女。ある日突然店に訪れた荒れ地の魔女に90歳の老婆へと変えられてしまいます。
このまま家にはいられないと飛び出したソフィーが放浪を続けていると、奇怪な形をした「動く城」に出合います。その主は美女の心臓を食らうという「ハウル」という美しく若い魔法使いで……。
映画では描かれていない、実は超重要な裏設定が原作では知ることができます。
ダレン・シャン
（ダレン・シャン／小学館）
著者と名前が同一の主人公の一人称で進むホラーファンタジー。
主人公ダレン・シャンは活発な普通の少年だったが、奇怪なサーカス、シルク・ド・フリークを見に行ったのをきっかけに彼の人生が大きく狂いだします。
友人を救うため半バンパイアとなったダレン。光の下では生きることができず人間の血を飲まなければいけないという葛藤に苦しみながらも、バンパイアとして己の正義を貫きます。
バンパイアとバンパニーズの戦争である「傷ある者の戦」の描写は圧巻。ハラハラしながら読んでしまいます。
バーティミアス
（ジョナサン・ストラウド／理論社・静山社）
魔術師が権力を持ち支配層として存在する世界が舞台。ナサ二エルという若くして名を轟かせる天才魔術師は、わずか12歳で齢5010で歴史に名を遺す妖霊である「バーティミアス」を召喚しました。
魔術が存在する世界という設定ですが、所々現実世界の要素も取り入れているため、「こんな世界線があったかもしれない」と思わされます。
壮大な魔術も魅力ですが、皮肉屋で冗談が好きなバーティミアスと非凡な才能を持った天才少年の悪友的なバディ要素も楽しめます。
ラストは涙なしでは見られない衝撃的な展開です。
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グイン・サーガ
（栗本薫／早川書房）
130巻3300万部を超える、日本が誇るファンタジー小説の代表作です。
豹頭の戦士である主人公・グインは初期は自身の名前とわずかな単語以外はすべての記憶を失っています。
襲われている双子の男女を助けたグインは、彼らと行動を共にしますが、実は双子は滅亡の危機に瀕している「パロ」という国の皇太子とその姉。
旅の途中で出会った仲間とともに、彼らは双子の故郷をめざす旅を始めます。
130巻以上という超大作のため、グインだけでなく彼を取り巻く仲間やその他のキャラクターにも焦点が当てられた群像劇としても要素も大きいです。
十二国記
（小野不由美／講談社・新潮社）
「日本のファンタジー小説界に衝撃を与えた」と言われる同作。2021年には30周年を迎え、記念展も開かれるなどファンも多い作品です。
主人公は赤毛であること以外は普通の女子高生・中島陽子。そんな陽子の前に突然「ケイキ」と名乗る謎の男が現れたのをきっかけに、異形の獣に襲われてしまいました。
陽子はそのまま中国を彷彿させる異世界へと飛ばされ、迷いながらも強く戦い抜いていきます。
まるで大河ドラマのような壮大で唯一無二の世界観と、素晴らしい描写力のおかげで文字ながら迫力のある戦闘シーンが魅力です。
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鹿の王
（上橋菜穂子／KADOKAWA）
230万部を超えるヒット作で、2022年4月に映画化しました。
主人公はかつて故郷のために反乱を起こした戦士・ヴァンと、医術師のホッサル。ヴァンは反乱に失敗し、地下で労働に従事させられていました。
そこへ山犬が襲撃し、噛まれた人は謎の病を発症。ヴァンも噛まれるがなぜか発症せず、そのまま地下から逃亡する際に幼女「ユナ」を拾い、生活を共にまるで親子のように生きていきます。
強国の医術師であるホッサルは山犬に噛まれても発症しなかったヴァンに「謎の病」治癒の手がかりがあると信じ、彼を追いかけていきます。
ファンタジーとしての世界観も重厚で、なおかつ「医療小説」としてもクオリティの高い一冊です。
ドリームバスター
（宮部みゆき／徳間書店）
「テーラ」という惑星を舞台に、人々の夢の中に潜り込んでしまった50人の凶悪犯を追う、賞金稼ぎ「ドリームバスター」。
凶悪犯のひとりを母に持つ16歳の少年・シェンは師匠であるマエストロと共に、人々の悪夢を解決するために飛び回ります。
主人公のシェンは生意気な美少年で、非常に魅力のあるキャラクター。彼らが飛び込む夢の中は、現代日本人が見る夢の中で、ファンタジーと現実が入り交ざるような不思議な感覚で読み進められました。
宮部みゆきのファンタジー小説は「ブレイブ・ストーリー」が有名ですが、こちらも大人から子どもまで楽しめる名作です。
獣の奏者
（上橋菜穂子／講談社）
異世界を舞台とする壮大なファンタジー作品。NHKでアニメ化もされています。
エリンは獣ノ医術師である母と共に暮らしています。彼女らが暮らす村は、巨大な竜のような姿を持つ闘蛇という獣を飼育しています。
エリンの母は腕がよい獣ノ医術師であったため、その中で最も位の高い「牙」の世話係に任命されますが、突然闘蛇が死亡してしまったことで処刑判決を受けてしまいました。
母を助けられなかったエリンは失意の中、蜂飼いのジョウンに助けられ山奥で隠れるように暮らす中で空を自由に飛ぶ獣に出合います。
空を飛ぶ獣や、巨大な力を持つ闘蛇など、異形の生物たちが心をくすぐります。エリンと獣が心を通わせていくのも大きな魅力の一つです。
NO.6
（あさのあつこ／講談社）
近未来の日本を舞台としたSFファンタジー。「NO.６」とは都市の名前で、強固な壁の内側では全てが人工的に統一された世界。
そこで育った穏やかで優秀な少年・紫苑は嵐の日に「ネズミ」と名乗る美しい少年をかくまってしまったことから、「NO.6」の外の世界に追放されてしまいました。
外の世界は秩序などなく暴力が横行していますが、強かに生きるネズミに紫苑は惹かれていき、またネズミも純朴な性格の紫苑に徐々に心を許していきます。そして二人は「NO.6」崩壊へといどんでいくという物語です。
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とある魔術の禁書目録
（鎌池和馬／電撃文庫）
アニメ化や派生作品も多く発刊されたライトノベルの人気作品のひとつです。
超能力が科学によって分析可能となった世界。学園都市で暮らす上条当麻のもとへ、幼い容姿のシスター「禁書目録」が行き倒れのようにやってきます。
そこから上条が学園都市や能力開発など、さまざまトラブルに巻き込まれていきます。バトルシーンも多く、キャラクターたちが一つずつもつ「能力」も胸躍るものが多い印象。
ファンタジー初心者の方は挿絵も多く、世界観を理解しやすいライトノベルから挑戦するのもよいのではないでしょうか。派生作品「とある科学の超電磁砲」も人気作です。
転生したらスライムだった件
（伏瀬／マイクロマガジン社）
発行部数3000部以上を誇る人気ライトノベル。ユニークな名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
主人公・三上悟は、ある日通り魔に刺されて死亡してしまった所、異世界の洞窟でスライムとして転生してしまいます。
これまでの転生ファンタジーものだと「勇者」への転生が鉄板だったところを、まさかの雑魚の代表格「スライム」に蘇ってしまうという設定だけでも面白い同作。
しかし奇抜なタイトルと設定とは裏腹に世界観がしっかりと作りこまれ、ファンタジー好きな方にもオススメです。
おわりに
以上、おすすめのファンタジー小説12選をご紹介しました。
定番から奇抜なものまでご紹介しましたが、気になるものはあったでしょうか。
どれも胸躍る作品ばかりなので、頭の中でファンタジーの世界を繰り広げながら、じっくり読んでみてください。
