いじめ・リンチ・殺人など、現在進行形で絶えず世の中を騒がしている凶悪な少年犯罪
犯罪者予備軍の少年少女たちを止めるには、美少女ロボットに頼ってみるといいかもしれません。

今回はタカハシマコの漫画「(ニコ)」をご紹介します。
「(ニコ)」あらすじ
学校や家庭で子どもたちが過大なストレスに晒され、少年犯罪が激増した世界に、ある奇妙な都市伝説が広まり始めていました。
それは犯罪者予備軍の少年少女の前に姿を現す奇妙な少女の存在。
ニコと名乗る少女はセーラー服に身を包み、悩める少年少女たちを時に更生に導き、それが不可能なら子どもが永遠に子どものままでいられる「船」へと導くとされています。
ニコの噂を最初は信じていなかった少年少女たちも、実際に彼女と巡り会い言葉を交わす事で、心境に変化が芽生えていきました。
ところがニコには大きな秘密がありました。
ニコの正体は少年少女の更生プログラムの一環として政府が生み出したロボットだったのです。
心に傷を持ち、やがて犯罪を犯す可能性を秘めた少年少女を、事前に隔離施設へ連れて行くために派遣される女子中学生型ロボット〝ニコ〟。ニコと触れ合うことで、自らの心の闇に気付き、あるものは自分を取り戻し、あるものはニコとともに〝船〟に乗る道を選択する…。その可愛らしい絵柄とそれに反する毒の強い描写で、いま最も注目度の高い漫画家のひとりであるタカハシマコの名作が、大幅新規描き下ろし・加筆・修正を経てファン待望の完全版として蘇る!!
出典:Amazon
著者 タカハシマコ 出版社 双葉社 発売日 2009年1月10日
「(ニコ)」登場人物
【ニコ】 追い詰められた少年少女の前に忽然と表して対話を試みるロボット。見た目はセーラー服の可憐な少女。量産型らしく同じ容姿の仲間が大勢おり、一体一体性格や口調が異なります。
「(ニコ)」ネタバレ感想
タカハシマコは成人向け雑誌で連載を持っていたアダルト漫画家。
特にロリ系が得意で、華奢で愛らしい少女の描写が絶大な支持を受けていました。
「(ニコ)」はタカハシマコが一般レーベルから出した漫画で、全二巻で完結しています。
本作に登場するのは多感で繊細な思春期の少年少女たち。
ある者は趣味を押し付けてくる毒親に悩まされ、ある者はハードな塾通いのストレスをネットでイキり倒して発散し、ある者は優秀な兄と比較されコンプレックスが肥大しています。
ニコはそんな子どもたちと対話を通して向かい合い、自分自身を見詰め直す事を促しました。
本作におけるニコの役回りはカウンセラーに近く、対話はカウンセリングです。場合によっては荒療治を施す為、子どもが再起不能に陥る事も。
しかし犯罪者に堕ち、実際に他人を手にかけるよりマシかもしれません。
そもそもニコたちは犯罪防止を目的に作られたのですから、保護の建前で手遅れな子どもたちを連れ去る行為も正当化できなくはありません。
とはいえ、ニコたちも一人一人個性があります。お嬢様風の丁寧語で話すニコもいれば男勝りで大胆な性格のニコ、クールに達観したニコもいます。
心や感情を持たない無機質なロボットのはずなのに、一話一話読んでいくとどうしてもそうは思えなくなるのが不思議ですね。
ニコと会ったことで立ち直る子どもや救われる子どもがいる一方で、身を滅ぼす子どもが皆無じゃない現実を描いてみせるシビアさが好ましかったです。
タカハシマコが描くロリショタは大変可愛らしく、バリエイションに富んだキャラクターを眺めているだけで目の保養になりました。
萌えと鬱を素晴らしいバランスで両立させたオムニバス漫画の傑作、読まなければ絶対損です。
また、本作でニコの「保護」の対象とされるのは子どもだけではありません。大人になりきれない大人、即ち大人子どもも拉致されます。
子どもの人格や個性を認めずオモチャにしていると、私たちの所にもニコがやってくるかもしれません。
子どもを産んだからといって誰もが親や大人になれるわけではないのです。
刊行されたのは2009年、今から10年以上前。しかし全く古びてないどころか、漸く時代が追い付いてきた感さえあります。
SNSや友人関係、親子関係の軋轢で病んでしまった思春期真っ只中の子どもたちにこそ、より深く響く物語かもしれません。
ニコと対峙した子どもたちが最終的にどんな選択をしたのか、ぜひあなた自身の目で確かめてください。
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