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【また、同じ夢を見ていた】小説のあらすじと感想をレビュー

 

今回ご紹介するのは、住野よるさんの作品の中でも特に人気の作品

案内人
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また、同じ夢を見ていた

一生懸命幸せを探す奈ノ花をぜひ応援してください

 

 

「また、同じ夢を見ていた」あらすじ

友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女性、一人静かに余生をおくる老女。彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない全ての人たちに贈る物語。

(「BOOK」データベースより)

 

小学生である小柳奈ノ花は、ある日1匹の猫に出会います。

その猫の出会いから、とても物知りな「おばあちゃん」やとても格好いい「アバズレさん」手首に傷のある女子高生「南さん」と繋がります。

奈ノ花は、様々な過去を持つ3人の女性と話し触れあい、学校の宿題である「幸せとは何か」をみんなで考えます。

誰もが求めているけれど、形も定義も分からない「しあわせ」を1人の小さな女の子が、一生懸命見つけていく、切なくも温かい希望の物語です。

 

「また、同じ夢を見ていた」感想レビュー

「また、同じ夢を見ていた」のストーリー展開は、非常に読みやすく分かりやすいのが特徴です。

難しい言葉はほとんどなく、奈ノ花の小学生目線からの世界の見え方がどこか懐かしくほほえましいストーリーとなっています。

奈ノ花は、自分の日常のいろんなことに疑問を持ちます。

道で出会えば挨拶をしろと教わるのに大人の人に挨拶をするとほとんどの人が不思議そうな顔をしてくる。痛いのにどうして自分の腕を切るのか。などなどと。

この作品のテーマである”しあわせ”は、誰もが漠然とは理解しているし、手に入れたいと思うけれど何をしたら手に入るのか分からないという共通認識があるモノだと思います。

だからこそこの作品は、老若男女全員におすすめします。

「また、同じ夢を見ていた」を見れば、幸せを得るためのヒントとなりこれからの人生のヒントとなるからです。

奈ノ花は、お菓子を食べている時は幸せだし、友人と話しているときも幸せだけど、その根本となる幸せの定義が分からないと悩み考え探します。

おばあちゃんやアバズレさん・南さんの手も借りながら奈ノ花は、自分なりの幸せへと近づきます。

最後は、奈ノ花と奈ノ花の出会う3人の女性みんなが、自分らしい幸せの定義を見つけることができます。

誰もが違う目線で、違う”しあわせ”の定義を見つけるので、読者の”しあわせ”を探すきっかけとなります。

「また、同じ夢を見ていた」には、ほかの住野よるさんの作品では味わえない点があります。

それが奈ノ花の「人生とは~」という口癖。

小学生とは思えない言葉遊びや謎かけがたくさんあり、この言葉が来るたびに考えて、答えが聞くたびに納得して思わずうなずくこともありました。

例として私が好きな2つを紹介します。

「人生とは、オセロみたいなもの。たった1枚の白で、私の黒い気持ちは一気に裏返るのよ。」

「人生とは、プリンみたいなもの。甘いところだけで美味しいのに、苦いところをありがたがる人もいる。」

他にも奈ノ花が残した名言はたくさんありますし、種類も豊富で笑えるものから驚かされるものまでありますので必ず皆さんの心に刺さる言葉が1つは見つかると思います。

 

筆者が伝えたいこと

「また、同じ夢を見ていた」を通して、住野よるさんが読者に伝えたいことは、みんながそれぞれの”しあわせ”を見つけて欲しいということと、”もしやり直せるなら何がしたいか”を想像して欲しいのだと思います。

この本に書かれている幸せはあくまでも奈ノ花が見つけたもので、同様に読者にも幸せを見つけて決して忘れず、これからの人生も楽しく生きて欲しいという思いが込められていると思います。

もう1つのやり直しとは、この作品の本の帯に書かれているキャッチコピー。

主人公である奈ノ花を中高生や大人にするのではなく、小学生にしているのは、できるだけ多くの読者を奈ノ花より年上したかったからだと思います。

奈ノ花と過去の自分を照らし合わせて、思い出を振り返り、温かい気持ちになりみんな楽しくなって欲しいという住野よるさんの優しい思いが「また、同じ夢を見ていた」には込められているのだと思います。

 

まだお読みになっていない方は、是非手に取っていただいて”しあわせ”とは何か、心温まる物語とともに考えてみてはいかがでしょうか

 

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