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【観用少女】漫画あらすじ・ネタバレ、読んだ感想をレビュー

 

幻想的な作品を集めたマンガ雑誌「ネムキ」。本作はその中でも熱狂的な支持を集めた名作です。

案内人
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今回は川原由美子「観用少女」をご紹介します

 

 

「観用少女」あらすじ

名人の称号を持った職人が作り上げた生きる人形。いずれも美しい少女の姿をし、眠りながら主人を待ち続けています。

波長が合った客と巡り会った時だけ目を覚ます少女人形たちは、様々な用途や目的で買われていき、引き取られた先で家族として、あるいは恋人として、あるいは誰かの代用品として過ごすのです。

とはいえ観用少女を手に入れた者たちが幸せになれるかどうかは神のみぞ知る……その美しさに狂わされ、身を滅ぼした人の噂もまことしやかに流れていました。

食事は一日三回の特別なミルクとご主人様の愛情のみ。それがないと枯れてしまいます。

今日もまた迷える人間が店のドアを叩き、新たな観用少女を買い求めました。

 

途方もなく高価で、この世のものとは思われぬほどの美しい姿をし、ミルクと砂糖菓子と愛情を栄養として育つ“観用少女”。その極上の笑顔に魅せられた人々の、愛と喜びと悲哀を描いた傑作シリーズ。連載当初より、数多くの読者に愛読されてきた、超ロングセラー作品が装いも新たに登場。シリーズの全作品を3巻に収録。

出典:Amazon

 

「観用少女」登場人物

【エンジェル】優柔不断な男に買われた観用少女。十年に一度の逸材と持て囃されましたが、男に甘やかされたせいで肥満し、見る影もない姿に変わり果てます。

【乙姫】持ち主に幸運をもたらすといわれる観用少女。好き嫌いが激しく扱いにくい性格です。

【オーロラ姫】ご主人様に捨てられてから15年間笑っていない観用少女。

 

「観用少女」ネタバレ感想

川原由美子「観用少女」はファンタジーオムニバス漫画の傑作。本作の舞台となるのは無国籍風の都会の街。

その裏路地にひっそりたたずむ店で、よりどりみどりの少女人形たちが売られているのですから、なんともロマンチックな設定ですね。

本作に登場する観用少女たちは喋りません。自立歩行は可能ですが、それは人間を模倣しているだけで自我や自意識は稀薄です。

しかし引き取った人間たちが愛情をもって接し、真心を尽くすことで、徐々に変化が起こっていきます。

本作の本質は観用植物を引き取った事で、思いがけない方向に人生が進んでいく人々のヒューマンドラマ。

店を訪れる人間の大半は人生の迷子であり、仕事や家庭、あるいは恋愛の悩みを抱えています。

誰かや何かを失くし、喪失感にうちのめされた人間も大勢いました。

そんな彼ら彼女らが観用少女に選ばれる事で、日々にやりがいと生き甲斐を見出していく姿はとても眩しく、少女たちとの微笑ましいやりとりに心が和みました。

個人的には誘拐犯を父親と思い込んだ少女のエピソードが印象に残っています。

少女と主人の関係も多様で、ある者は実の娘のように溺愛し、ある者は意に反して押し付けられた事で持て余すも、そこから努力して良きパートナーになっていきます。

また、川原泉が描く観用少女たちの美しさは絶品!フリフリロリータドレスやチャイナドレスで着飾った姿は、ドールコレクターの心をくすぐってやみません。

しかし油断なさらず、本作はハッピーエンドで締めくくられる話ばかりではありません。

観用少女を引き取った人間が身を滅ぼす話には、一方的に愛情を注ぐだけでは満足できず、見返りを求めてしまうひとの愚かさを突き付けられました。

いずれも共通しているのは観用少女たちの透明な純粋さです。

生きた人形である少女たちは、どんなシチュエーションだろうとも他者に干渉することはなく、穏やかに微笑んで……あるいは切なげに涙ぐんで主人の選択を見届けます。

結局幸せになるも不幸になるも本人次第、観用少女はただのきっかけに過ぎないのかもしれません。

全二巻と刊行されている巻数こそ少ないですが、読後の素晴らしい余韻は格別。

男女の愛のみならず親子愛や家族愛、観用少女を介した様々な愛の形が描かれているので、ほっこり心が温かくなりました。

仕事や勉強に疲れている人はぜひ本作を手にとり、観用少女たちの愛くるしい微笑みに癒されてみてはいかがでしょうか?読み終わる頃には自分だけの観用少女が欲しくなっているはずです。

 

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