今回ご紹介するのは、日本のSF作品の中でも特に人気のある作家「星新一」のおすすめ作品
「夜のかくれんぼ」
1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者、星新一さんの作品をご紹介したいと思います
「夜のかくれんぼ」あらすじ
宇宙からきた意味ありげな電波、壁からはえた人間の手、神からテレポートの能力をさずけられた男etc。
信じられないほど、異常な出来事が、次から次へと起るこの世の中。科学もふきとび、理屈も引っこむ摩訶不思議な世界に、あなたもまきこまれるかもしれません。
ひと足さきに、活字の世界で奇妙な体験をしてみませんか。ミステリアスな世界にあなたを誘うショートショート28編。
(「BOOKS」データベースより)
著者 星 新一 出版社 新潮社 発売日 1985年10月29日
「夜のかくれんぼ」感想レビュー
「夜のかくれんぼ」は28作品の短編とあとがきが加わった小説です。
どの作品にも統一して言えることは「物語の不思議な始まり方と不思議な展開」です。
興味が湧いてくるようなストーリーの始まり、読んでいくうちに感じる不思議な展開。
読んでいるうちにこの構成に引き込まれ、集中して読み入ってしまいます。
不思議が故に物語として、しっくりこないのでは?と感じる方もご安心を。最後にはオチがしっくりくる。これが本当に不思議なんです。
「夜のかくれんぼ」では、こんな不思議な体験ができる作品ばかりが並んでいます。
では作品の一部分を紹介したいと思います。
短編の1作品である「若葉の季節」は、ある町に住む男性とある町に旅で立ち寄った女性のお話です。
その町ではある儀式が行われており、たまたま旅で立ち寄った女性は儀式の生贄とされようとしていた。
男性は女性を見ていくうちに恋心を抱き、共に町を出ることを決意する。
しかし、男性はその後、衝撃的な経験をすることとなります。
誰もが予想だにしなかった展開は必見です。
「夜のかくれんぼ」はこのように、誰もが予想だにしなかった展開が丁寧に書かれた作品を集めた小説となります。
私も最後に待ち受ける衝撃の展開が気になり過ぎて一気読みしてしまいました
この衝撃的な展開に魅了されてしまうことが「夜のかくれんぼ」の魅力なのかもしれません。
小説の中で描かれている主人公のタイプは全てがバラバラであり、違うタイプの展開をしていきます。
28作品がそれぞれ違う味わいを体験できる所も魅力の1つです。
小説を読んでいると1つの展開や結果に飽き飽きしてしまう。そんな経験をしたことがあるという方はいないでしょうか?
「夜のかくれんぼ」では、そんな退屈な経験は一切することがありません。
1つ1つの作品に不思議な展開があるので、飽きることなく、いつの間にか読み入ってしまいます。
1度読み始めたら止まらない。そんな小説だと言っていいでしょう。
どんな人におすすめ?
SF作家の第一人者である星新一著であり、日本のSF作家が好きな方にはおすすめの一冊です。
また、色々な小説を読んできて、ハッピーエンドで終わる物語に飽きてしまったという方にも気に入ってもらえる作品だと思います。
「夜のかくれんぼ」で書かれている作品は不思議な展開をするものが中心となっています。
その中には決してハッピーエンドで終わるものばかりではありません。むしろバッドエンドとなる作品が多いと思います。
今まで読んできた作品と一味違う感覚を味わいたいと感じている人は、ぜひ読んでみて下さい。きっと期待を裏切らないと思います。
本を読むのが苦手だよ、という人にも読みやすい本となっていて、1作品の量はそこまで多くなく、10ページから20ページで読み切りの作品が多いです。
「読む時間が長すぎて飽きてしまう」
「長時間読んでいると疲れてしまう」
「短時間で読める内容がいい」
このような方におすすめです
読んでいるうちに物語にのめり込んでしまい、あっという間に読み終えてしまう。そんな経験をしてしまうと思います。
読み始めから気になる作品ばかりである為、次の作品、次の作品と進んでしまいます。気づけば、いつの間にこんなに読み終えていたのか?!と驚いてしまうかもしれません。
これから読書を始めたい、電車通勤で少しの時間を有意義にしたい、待ち時間の合間に読書したい、そんな方には時間的にも物語の面白さという観点からもおすすめできる小説です。