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【変な家】実話?あらすじ・ネタバレ、読んだ感想をレビュー

 

新居の購入は人生を左右する重大な決断です。当然家選びには慎重になるというもの

もしあなたが内見に赴いた家が謎の空間のある

案内人
案内人

「変な家」だったら、どうしますか?

その真相を探るうちにおぞましい一族の歴史に踏み込んでしまったら……今回は2021年のベストセラー、雨穴「変な家」をご紹介します。

 

 

「変な家」あらすじ

ある日雨穴は知人の柳岡氏に相談を受けます。柳岡夫妻は近々第一子が生まれる為、将来的な家族計画を考えて新居の購入を検討していました。

不動産屋に案内されて赴いたのは、駅に近い立地で広く快適な一軒家。

柳岡氏はこの家を気に入るものの、一階台所と寝室の間に存在する用途不明の空間に違和感を覚えます。

そこでこの家を買ったものかどうか、雨穴の判断を仰いだのでした。

柳岡夫妻に相談された雨穴は早速設計士・栗原氏に連絡をとりました。

彼は雨穴の知人で建築の専門家です。のみならず、お互いホラーを愛好している共通点がありました。

雨穴の電話をとった栗原氏は、柳岡氏から郵送された設計図をよく観察し、次々と不審な点を挙げていきます。

栗原氏曰く二階中央の子供部屋には窓が存在しません。これではまるで子供を隠そうとしているようです。

柳岡氏の前に住んでいたのは三十代の夫婦とまだ赤ん坊の子どもなので、そもそもこんな広い子供部屋が存在するのは不自然なのでした。

雨穴と栗原氏は知恵と知識を出し合い、変な家の謎をとけるのでしょうか?

 

謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋—-間取りの謎をたどった先に見た、「事実」とは!? 知人が購入を検討している都内の中古一軒家。開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していた。知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。間取りの謎をたどった先に見たものとは……。不可解な間取りの真相は!? 突如消えた「元住人」は一体何者!? 本書で全ての謎が解き明かされる!

出典:Amazon

 

「変な家」ネタバレ感想

本作は人気webライターにしてユーチューバーの雨穴が2021年に出版した不動産ミステリー。刊行後すぐ各所で話題を呼んでベストセラーとなりました。

本作の特徴はまず読みやすい点。

雨穴はもともと動画クリエイターとして活動しており、その際の経験を生かして変な家の設計図を収録し、読者が間取りを想像しやすいように配慮しています。

ジャンル的にはミステリーとホラーを両立させたモキュメンタリーに属し、変な家の秘密が徐々に暴かれていく過程をロジカルに描く事で、ぞくぞくするリアリティを獲得しました。

博識で冷静沈着で栗原氏の推理は読みごたえがあり、助手を務める雨穴との阿吽の呼吸が光ります。

「変な家」は二部構成になっており、前半はサスペンス色が強く、後半は三津田信三を思わせる土着ホラー要素が強く出ました。

ある地方の旧家に伝わる左手供養の儀式が、その末裔の運命を狂わせていく皮肉な結末は、単純なオカルトよりぞっとするものがあります。

とはいえグロテスクな描写は控えめでサクサク進むので、怖すぎる小説が苦手なホラー初心者にもすすめやすいです。

小野不由美「残穢」さながら呪いが連鎖していく模様に注目してください。

 

「変な家」見どころ

本作の醍醐味は一枚の設計図から想像を飛躍させ、恐るべき推論に辿り着く所です。

事故物件を扱ったホラーは多いですが、不動産ミステリーというと斬新に感じますね。

オカルト寄りのホラーとロジカル重視のミステリー要素が両立した構成は、キャッチコピーに偽りない出来栄えといえます。

謎が全部解けてすっきりおしまいではないのも、考察好きな読者の知的好奇心をくすぐりました。

読後のなんともいえない後味悪さと不気味さこそ、「変な家」の真骨頂です。

栗原氏も言及していますが、工事の計画変更で家に謎のスペースが生じることは多々あります。

それが必然か偶然か、故意か否かをはたして一般人が見分けられるでしょうか?

枯れ葉を隠すなら森の中の要領で、そこに生きている人間の悪意が働いていたら……一番恐ろしいかもしれません。

三津田信三や澤村伊智、あるいは小野不由美などのホラー小説が好きならライトに楽しめる本でした。

読後は原案となった雨穴の動画を見返すと新たな発見があるかもしれません。

 

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