あなたは北海道と聞いて何を一番に思い浮かべますか?
屯田兵が開拓に入る前、北海道にはアイヌたちが住んでいました
彼等は自然から知恵を授かり、森羅万象に宿る神……カムイを崇めていたと言います
野田サトル「ゴールデンカムイ」は明治時代の北海道で繰り広げられる、アイヌの埋蔵金を巡る戦いを描いた話。
原作は最終章に突入し、ますます盛り上がりを見せています。
「ゴールデンカムイ」あらすじ
時は明治時代。
日露戦争で超人的な強さを勇猛ぶりを発揮し、「不死身の杉元」と呼ばれた男がいました。
彼……杉元佐一は復員後、眼病を患った幼馴染の手術費を稼ぐ目的で北海道に渡り砂金をとっています。
しかしさっぱり収穫がなく落ち込んでいた矢先、アイヌが隠した埋蔵金の噂を聞きます。
酔っ払いの寝言だろうと最初は流したものの、その後アイヌの少女・アシリパと出会い、埋蔵金の噂が真実だと知らされました。
さらにはアシリパの父・ウィルクこそが埋蔵金計画の首謀者だというのです。
杉元は初恋の人を救うため、アシリパは父の真意を知るため、埋蔵金の地図を刺青に彫った脱獄犯の追跡を開始。
されど埋蔵金を追い求めているのは杉元とアシリパだけではありません。
北海道の鎮守を任された帝国陸軍第七師団、実は網走監獄で生きていた新選組の土方歳三一派までもが争奪戦に飛び入りし……。
明治時代末期、日露戦争終結直後の北海道周辺を舞台とした、莫大な埋蔵金をめぐる生存競争サバイバル。
舞台は気高き北の大地・北海道。時は激動の明治時代後期。
日露戦争という死戦を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元はある目的のために大金を欲していた。
一攫千金を目指しゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、網走監獄の死刑囚が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった。
雄大で圧倒的な大自然、VS凶悪な死刑囚。
そして純真無垢なアイヌの少女・アシㇼパとの出逢い。莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開ける。出典:Amazon
著者 集英社 出版社 野田サトル 発売日 2015年1月19日
「ゴールデンカムイ」登場人物
【杉元佐一】日露戦争に出征した元軍人。「不死身の杉元」の異名をとるタフな男です。
【アシリパ】弓が得意なアイヌの娘。父親が隠した埋蔵金の行方を追っています。
【白石由竹】「脱獄王」の異名をとる網走監獄の囚人。杉元・アシリパの旅の仲間に加わります。
【鶴見篤四郎】北海道に駐屯する大日本陸軍第七師団の将校。階級は中尉。権謀術数に長けた策士です。
「ゴールデンカムイ」ネタバレ感想
野田サトル「ゴールデンカムイ」はアニメ化もされた超人気作。
和風闇鍋ウェスタンのキャッチコピーに違わず、仁義無用な刺青人皮の争奪戦が繰り広げられます。
敵として登場する網走監獄の脱獄犯たちはそろいもそろって強烈な変態ぞろい。しかもただの異常者ではなく、めちゃくちゃ強いのだから厄介。
主人公の杉元とアシリパは年の差男女バディ。ともに旅をするうちに深い信頼で結ばれ、互いになくてはならない存在になっていきます。このもどかしい距離感がたまりません!
刺青人皮を追い求める過酷な旅路において、杉元たちは様々な脅威にさらされます。一癖も二癖ある脱獄犯はもとより、凶暴な羆や第七師団の妨害にも大苦戦。
アクションシーンは迫力たっぷり、泥臭いまでにダイナミックな躍動感が漲っています。特に男の筋肉フェチは大満足ではないでしょうか。
魅力的な登場人物には事欠かず、凄腕スナイパーの尾形やマタギの血筋の谷垣など、第七師団から離反したキャラクターの動きがさらに戦況を複雑化させているのに注目。
常に読者の予想の斜め上行く展開や思いがけない裏切り者の正体には「あっ」と叫んでしまいました。
カリスマ軍人鶴見中尉の不気味な存在感や老いた土方歳三の強キャラ感もワクワクさせてくれます。
何より素晴らしいのが作中に登場する北海道グルメの数々!あなたもきっとチチタプの虜になります。
色々と吹っ切れた下ネタの数々にも抱腹絶倒間違いなし。どんなに追い込まれた状況でもシリアス一辺倒にならず、しっかり笑わせてくれるサービス精神が素晴らしいです。
それぞれがそれぞれの信念を持ち、アイヌの埋蔵金を追い求める「ゴールデンカムイ」。各々譲れない生き様を貫いた末に訪れる、キャラクターの死に様には魂が震えます。
原作は最終章に突入し、ますます混迷を呈してきました。
北海道を縦横無尽に駆け巡った杉元たちの旅がどんな結末を迎えるのか、刮目して見届けたいです。
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