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【ラメルノエリキサ】意味は?あらすじ・ネタバレ、読んだ感想をレビュー

 

案内人
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あなたは復讐をしたことがありますか?

それとも復讐なんて何も生まない不毛な行為とお考えでしょうか

もし自分や身内が傷付けられても仕返しはちょっと……とためらっているなら、本作「ラメルノエリキサ」を読んで、考えを改めてみるのもいいかもしれません。

 

 

「ラメルノエリキサ」あらすじ

主人公は反抗精神漲る女子高生・小峰りな。

登下校中にあらゆるジャンルの音楽を聴くのが最大の楽しみな彼女は自他ともに認めるマザコンで、美しく完璧な母に対し、憧れとコンプレックスが相半ばする複雑な感情を持っていました。

そんなりなの身にある日突然災いが襲いかかります。イヤホンをはめて下校中に正体不明の通り魔に襲われ、病院送りにされてしまったのです。

幸いすぐに退院できたものの、りなは卑劣な犯人へ復讐心を燃え上がらせ、独自に調査に乗り出しました。

はたしてりなは通り魔を捕まえて、理想の復讐を成し遂げることができるのでしょうか?

 

女子高生・小峰りなのモットーは、どんな些細な不愉快事でも必ず「復讐」でケリをつけること。そんな彼女がある日、夜道で何者かにナイフで切り付けられる。手がかりは、犯人が残した「ラメルノエリキサ」という謎の言葉のみ。復讐に燃えるりなは事件の真相を追うが―。

(「BOOK」データベースより)

 

「ラメルノエリキサ」ネタバレ感想

「ラメルノエリキサ」は渡辺優のデビュー作にあたる、ノンストップでオフビートな青春小説。

主人公・小峰りなのキャラクターからしてぶっとんでいます。

「目には目を、歯には歯を」のハンムラビ法典を信奉するJKというだけでエキセントリックですが、何より凄まじいのはその類まれなる復讐心。

りなは自分や自分の大切なものを傷付ける人間をけっして許しません。

母がやっているピアノ教室の生徒が飼い猫をいじめた際は、犯人の少女を階段から突き落として骨折させています。

やりすぎだと非難する人もいるでしょうが、どっこいそんなことはありません。

りなにとって復讐とは、損なわれた自尊心の回復行為なのです。

変質者に襲われたのは寂しい夜道を一人で歩いてるから、ぼーっとスマホを見てるから、あるいはイヤホンを嵌めて音楽を聴いてたから……こんな正論を聞いた事はありませんか?

電車で痴漢に遭えばスカートが短いのが悪いだのお前が挑発したんだろうと何故か被害者が責められます。

しかし考えてもみてください、被害者は誰かを傷付けたでしょうか?

誰にも迷惑をかけずただ好きな格好をして好きな事をしていただけなのに、なじられるのは理不尽ですよね。

りなが主張するのは好きな時に好きな音楽を聴いて歩く自由です。

それはりなにとって譲れない権利であり、守る為に行動を起こすのは正しい事だと宣言する彼女は、正直とてもかっこよくて痺れました。

 

「ラメルノエリキサ」見どころ

本作は主人公の一人称語りが最高に狂ってて気持ち良い小説です。

りなは復讐に取り憑かれており、憎い通り魔を捕まえるまでけっして止まりません。

些か極端なキャラクターなのは否定できませんが、全ての被害者と被害者になるうる可能性のある弱者の心の声を代弁してくれるのでスッキリしました。

さらに本作はミステリー要素も含んでいます。タイトルの「ラメルノエリキサ」が何を意味するかわかった時は目から鱗でした。

良い意味でも悪い意味でも一切ブレない主人公もさることながら、彼女の家族や友人も負けず劣らず強烈な個性を持っています。

特に妹を守りたいが為にお姉ちゃんが起こした行動は必見!この姉にしてこの妹ありと大いに納得しました。

毒舌アドバイザーとして活躍するりなの友人もいい味を出してました。

りなが母親や姉に対して抱くコンプレックスの描写も見所で、まっすぐすぎるが故の不器用さが最後には愛しくなってしまいます。

思春期真っ只中の人も既に通り過ぎた人も、親の理解が上滑りするモヤモヤには共感できるはず。

小さな事でくよくよ悩みがちな人は、本作を読んで元気をもらってはいかがでしょうか。

我が道を貫いて復讐するのもまんざら悪くないと思える、底抜けのバイタリティーにあふれた小説でした。

 

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