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【ダイナー】小説あらすじ・ネタバレ、読んだ感想をレビュー

 

最強の殺し屋が作る最上の料理。この世にそんなメニューが実在するなら食べたくなってしまうのが人情ですよね

今回はホラー作家・平山夢明が満を持して送り出したエンタメの真骨頂

案内人
案内人

「ダイナー」をご紹介します

 

 

「ダイナー」あらすじ

主人公はワケあってバツイチアラサー無職のオオバカナコ。

貯金が底を突きかけた彼女は高額報酬のバイトに釣られ待ち合わせ場所に向かい、なし崩しにカーチェイスに巻き込まれます。

どうにか一命はとりとめたものの、バイトの告知を出した運転手カップルは拉致監禁。

カナコは謎の男・ボンベロに捕まり、ウェイトレスとして店で働くか今ここで殺されるか選べと迫られました。

命が惜しいカナコは前者を選び、ボンベロが経営する殺し屋専門ダイナーでこき使われる羽目に……。

はたしてカナコは生きて再び地上に出られるのでしょうか?

 

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。そこを訪れる客は、みな心に深いトラウマを抱えていた。一筋縄ではいかない凶悪な客ばかりを相手に、カナコは生き延びることができるのか?暗躍する組織の抗争、命がけの恋―。人の「狂気」「恐怖」を描いて当代随一の平山夢明が放つ、長編ノワール小説。

(「BOOK」データベースより)

 

「ダイナー」ネタバレ感想

平山夢明はスプラッタなホラー小説で一躍名を上げた小説家。その手腕は本作でも見事に生かされています。

物語の舞台となるのは元殺し屋の天才料理人・ボンベロが経営するダイナー。地下に存在するこの店には殺し屋しか来ません。

しかも全員が頭のイカレた異常者で、一部にはシリアルキラーのモデルも存在します。

本作は吐き気を催すようなグロテスク表現と、涎が止まらないグルメ描写を両立させた稀有なエンタメ小説。

ボンベロが次から次へと披露する料理はどれもとてもおいしそうで、深夜に読むとお腹がすきます。

肉汁滴るパテが鉄板でジュージュー焼き上がる様子は、活字の暴力となって目と胃に直接訴えかけてきました。

その横では当たり前のように乱闘が繰り広げられ、殺し屋が殺し屋を虐殺していきます。

人間誰しも食べなければ生きていけません。

弱肉強食の掟に縛られた殺し屋とて例外はなく、ボンベロの手料理に舌鼓を打ち、絶賛するリアクションが生き生きと描かれるため憎めなくなってしまいました。

ダイナーに売り飛ばされたカナコは客や主人の機嫌を損ねないように細心の注意を払い、綱渡りの毎日を送ります。

実際歴代のウェイトレスたちはボンベロや常連に殺されており、カナコの命も風前の灯火。ほんのささいなミスが命とりになりかねません。

そんな死と隣り合わせの過酷な状況下で、カナコは意外にもタフネスに生き抜いていきます。

 

「ダイナー」見どころ

本作はる蜷川実花監督の映画三作目にもあたり、ビビッドな映像表現が注目されたことも記憶に新しいです。

「ダイナー」の見所はいずれ劣らずエキセントリックな殺し屋たちの死闘と、日々逞しくなるカナコの成長ぶり。

もちろんボンベロが手がける絶品料理の数々も欠かせません。オードブル・メインディッシュ・デザートと死角なし、注文のうるさい常連のリクエストに即座にこたえていきます。

平山夢明はシリアルキラーのプロフィールに造詣が深く、自らに肉体改造を施したキッドの生い立ちは、実の母に凄まじい虐待を受け続けたアメリカの殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスがモデルとされています。

目を背けたい惨劇や心を抉る悲劇の舞台になるかと思えば、致死量の塩にほんの一匙足された砂糖のように、人でなしを憐れむ優しさも確かに存在する場所……ダイナー。

店を訪れる殺し屋たちの壮絶な人生と、カナコの哀しい過去が交錯するエピソードは泣かせてくれました。

最初は怖かったボンベロがだんだん好きになってくるのも不思議です。

ある出来事がきっかけで絶望していたカナコが、殺し屋たちとの出会いと別れを通し再生していくヒューマンドラマは、深い感動を与えてくれました。

映画はオリジナルアレンジが強く、カナコの年齢が変更されています。どちらが好きかは人によりけりですが、個人的には原作のカナコの方を応援したくなりました。

彼女が過去の過ちを悔やんで涙を流す、終盤の見せ場は忘れられません。一人でも多くの人に読んでほしいです。

 

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