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【窮鼠はチーズの夢を見る】あらすじ・ネタバレ、読んだ感想をレビュー

 

行定勲監督による実写映画もヒットした水城せとな原作のBL漫画

案内人
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「窮鼠はチーズの夢を見る」

本作は平凡な既婚サラリーマンと粘着質な興信所調査員のすれ違い模様を描いた、執着BLの傑作

今回はそんな「窮鼠はチーズの夢を見る」をご紹介します。

 

 

「窮鼠はチーズの夢を見る」あらすじ

主人公は一般企業勤務のサラリーマン・大伴恭一。

やや優柔不断な性格が玉に瑕で、妻・知佳子との関係は冷え切っています。

さらに恭一は同僚と不倫しており、その事をネタに七年ぶりに再会する大学の後輩・今ヶ瀬渉に「ばらされたくなければ自分と関係を結べ」と脅迫されました。

なんと今ヶ瀬はゲイでずっと恭一に片想いしてきたのでした。

家庭を壊したくない恭一は言われるがまま今ヶ瀬と体を重ねますが、次第に彼に本気になっていきます。

 

「俺以上に貴方なんかを愛する人が現れるわけない…」。大学の後輩・今ヶ瀬と再会した恭一。でも彼は、恭一の妻が浮気調査を依頼した調査員だった。今ヶ瀬は浮気の事実を隠す条件に、恭一にカラダの関係を求め…!?

出典:Amazon

 

「窮鼠はチーズの夢を見る」登場人物

【大伴恭一】 一般企業勤務のサラリーマンで既婚者。異性に言い寄られると断れない優柔不断な性格で浮気を繰り返しています。ノンケ。

【今ヶ瀬渉】 恭一の大学の後輩で生粋のゲイ。七年間彼に片想いしてきました。リバで抱かれる方も抱く方もこなします。

【大伴知佳子】 恭介の妻。今ヶ瀬に恭一の浮気調査を依頼します。

【岡村たまき】 恭一の部下の女子社員。彼に密かな想いを寄せており、知佳子と離婚後にアプローチを開始します。

 

「窮鼠はチーズの夢を見る」ネタバレ感想

水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」は「俎上の恋は二度跳ねる」の続編にあたります。

前作は恭一と今ヶ瀬の七年ぶりの再会からのカップル成立が、今作では二人の同棲生活が描かれました。

ジャンル的にはBLですが、大人のしがらみに縛られて離れたくても離れられない恋人たちの面倒くさい本質を抉り出した本作は珠玉のヒューマンドラマとしても読みごたえたっぷり。

異性同性問わず価値観の異なるパートナーとの距離感に悩んでいる人は必読です。

さらに本作を語る上で外せないのがBL史上最高の執着尽くし攻め・今ヶ瀬の存在。

恐ろしく執念深く一途なゲイの美青年で、恭一が結婚してからもずっと彼を想い続けたいじらしさにドキドキが止まりません。

そんな今ヶ瀬の愛情にほだされて、ノンケだったのにどんどん開発されていく恭一の流されっぷりも素敵でした。

バツイチの恭一と今ヶ瀬は双方ちゃんと仕事を持ったいい大人であり、それ故相手の立場や将来を思って右往左往します。

今ヶ瀬が恭一をこちらの世界に引き込んでしまった責任を感じ、自ら身を引こうとする終盤の展開は切なくてたまりませんでした。

また、前作は恭一が受け、今ヶ瀬が攻めで固定されていましたが本作はリバになります。即ち今ヶ瀬が恭一に抱かれるシーンがあるのです。

前作で今ヶ瀬の色気にぞっこん惚れていた読者にはご褒美としか言えないおいしい展開にがぜんテンション上がりました。

恭一に急接近する謙虚で可愛らしい後輩など、一波乱二波乱ある恋模様からも目が離せません。

さんざん衝突を繰り返して一度は別れを決意したものの、やっぱりお互いを忘れられずに元鞘に戻る恭一と今ヶ瀬。

もちろんこれ一冊でも大満足ですが、前作からすれ違いを見守ってきた読者なら、二人が気持ちを確かめ合って歩き出すクライマックスに号泣必至です。

ノンケとゲイ、先輩と後輩、バツイチと独身。

あらゆる差異に隔てられた相手を本当の意味で尊重するとはどういうことか、理解しあうとはどういうことか、本作を読んで改めて考えさせられました。

恭一も今ヶ瀬も相手の為を思えばこそ空回り続ける身勝手ぶりではいい勝負なので、似た者同士といえるでしょうか。

BLの枠を超えてあらゆる人間関係のお手本にできる示唆に富む作品なので、一人でも多くの方に読んでもらいたいです。

水城せとなの描く成人男性は肉感的な唇やゴツめの手や首がセクシーなので、ぜひそちらにも注目してください。スーツフェチもきっと気に入ります。

 

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