PR

【愛と呪い】実話漫画・ネタバレ、読んだ感想をレビュー

 

現在社会問題化している毒親。

親の過干渉や虐待が原因で病んでしまうのは子どもに限ったことではありません、成人後もトラウマに苦しみ続けるアダルトチルドレンは大勢います。

「愛と呪い」はふみふみこの自伝的要素が強い漫画。本作の主人公は中学生・愛子。

ある新興宗教を信仰する一家に生まれ、物心付いた頃より父親に性的虐待を受けてきた彼女は、一体どういった大人になるのでしょうか?平成を生き抜いたサバイバーの道のりをご覧ください

 

 

「愛と呪い」あらすじ

舞台は平成初頭、関西の片田舎。

主人公の愛子は大人しく優しい性格の中学生。両親と祖母、まだ小学生の弟に自分を含めた一家四人で暮らしています。しかし彼女の生活は平凡とはかけ離れたものでした。

愛子の一家はある新興宗教の信者であり、子どもたちにも信仰を強制します。

さらに父親は物心付いた頃より娘に性虐待を働いていますが、母や祖母はその事をまるで問題視せず笑い話にする始末。

自分が育った環境に特に疑問も持たずにいた愛子は、宗教法人が運営する学校で一風変わったクラスメイトと出会い、大量殺戮を企むその危険思想に何故か共感を覚えます。

ある日愛子は友人と誘い合わせ、気になる男子にラブレターを書くことになりました。

ところが父親に長年イタズラされてきた愛子は価値観のズレからラブレターで失言をし、「気持ち悪い」と友人たちに引かれてしまいます。

友達に無視され教室で孤立した愛子は、担任に反抗的な態度をとるクラス一の変人と急接近し、世界が滅びる日を夢見るようになりました。

 

物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。

出典:Amazon

 

「愛と呪い」登場人物

【愛子】関西の片田舎で生まれ育った一見平凡な中学生。父親に性的虐待を受けています。家族は新興宗教を信仰しており、それを当然だと思って生きてきました。

【愛子の母親】新興宗教の信者。夫が娘を性的虐待する光景を笑って見ています。自身も折檻を始めると止まらなくなります。

【愛子の父親】新興宗教の信者。娘が幼い頃から性的虐待を働いてきました。

 

「愛と呪い」ネタバレ感想

本作は漫画家ふみふみこの自伝作品、即ちノンフィクションの位置付けです。

「愛と呪い」は平成前半を舞台に愛子の悩み多き半生を描ききった傑作。

愛子は特異な家庭環境で生まれ育ちました。

家族は全員新興宗教の信者、父親はスキンシップと称して娘に性的虐待をします。母親や祖母はそれを笑って眺めているだけで止めてくれません。

次第に愛子は鬱屈し、大量殺戮を企むクラスメイトの妄想に引きずり込まれていきます。

本作には地下鉄サリン事件や神戸連続児童殺傷事件に援助交際など、平成を騒がせた凶悪犯罪や社会問題が多く取り上げられました。

事件当時愛子と同年代だった読者は、当時のリアルな空気感を思い出すのではないでしょうか。

自分と同じ中学生が残酷な殺人を犯した事実は、多感な少年少女を激しく動揺させました。一歩間違えば愛子も加害者の側にいたかもしれません。

「愛と呪い」は全三巻。一巻は愛子の中学生時代を、二巻は高校生時代を、三巻は成人後を描きます。

話が進むほどに絵のタッチがリアル寄りに変わっていき、愛子の苦悩も生々しさを増していきました。

父親の虐待のせいで自分は汚いという強迫観念を植え付けられ、それを相殺する為に援助交際に溺れる思春期を経た愛子は、大人になった現在もパートナーと正常な関係を築けずにいます。

本作のポイントとして推したいのは毒親の描き方です。

三巻にて愛子は父親の虐待を見て見ぬふりしてきた母親と対峙し、その罪を糾弾しました。

娘の慟哭に対し母親が当時の心境を告白するのですが、このくだりを読めば親もまた一人の人間であると理解でき、カテゴライズやレッテル貼りの無意味さを思い知らされます。

現在進行形で親子関係や人間関係に悩んでいる読者は、本作を読むことで自分を見詰め直し、過去に折り合いを付けられるかもしれません。

 

>>「愛と呪い」 試し読み&購入はこちら

 

 

↓↓Amebaマンガで「愛と呪い」を検索

無料会員登録で「100冊まで全部40%OFF」Amebaマンガ

タイトルとURLをコピーしました